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上野 彰; 大越 清紀; 池上 清*; 小栗 英知
Journal of Physics; Conference Series, 2244, p.012029_1 - 012029_5, 2022/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.32(Engineering, Electrical & Electronic)Cs添加型RF駆動J-PARC Hイオン源は、J-PARC LINACの50mA運転のために、デューティファクタ1.25% (0.5ms25Hz)で約58mAビームを安定に供給している。J-PARC運転に使用されているプラズマ容器(PCH)は、全10個の内、#7, #8と#9PCHの3個のみである。理由は不明だが、これらで生成されたビームの横方向エミッタンスが他よりも優れている為である。しかし、VCR真空接手での空気リークを解決するためにプラズマ電極(PE)温度制御板(PETCP)を新品に交換した#7PCHでは、約16%エミッタンスが増大してしまった。プラズマに晒された新品部品からの不純物がこの劣化の原因と考えられた。48時間の新しい2MHz RF電力スキャン不純物削減コンディショニングにより、新品のPETCHを設置した#4PCHで、ほぼ最小エミッタンスのビーム生成に成功した。プラズマ損失を削減するためのPE温度制御空気用ステンレス管を覆う99.7%アルミナセラミックス管の代わりに、不純物削減が期待されるサファイヤ管も使用された。
Welton, R.*; Bollinger, D.*; Dehnel, M.*; Draganic, I.*; Faircloth, D.*; Han, B.*; Lettry, J.*; Stockli, M.*; Tarvainen, O.*; 上野 彰
Journal of Physics; Conference Series, 2244, p.012045_1 - 012045_13, 2022/04
被引用回数:2 パーセンタイル:87.98(Engineering, Electrical & Electronic)高輝度負水素イオン源は、世界的な多くの科学施設で、広範囲に使用されている。負水素イオンビームは、円型の加速器や蓄積リングへの蓄積入射に適している。種々の負水素イオン源(RF、フィラメント、マグネトロンとペニング駆動)を使って、いくつかの施設では、数年以上の長期運転経験を有している。代表的な施設のリストに、米国核破砕中性子源(SNS)、J-PARC、英国ラザフォード・アップルトン研究所(RAL-ISIS)、米国ロス・アラモス中性子科学センター(LANSCE)、米国フェルミ国立加速器研究所(FNAL)、欧州合同素粒子原子核研究機構(CERN LINAC-4)があり、その他の多数の施設では、D-Pace社製イオン源が使用されている。本論文では、これらの施設で経験された重要なイオン源の持続可能性問題を総括し、それらのイオン源が、どのように最近改善されているのかを議論する。
山田 逸平; 和田 元*; 神谷 潤一郎; 金正 倫計
Journal of Physics; Conference Series, 2244, p.012077_1 - 012077_6, 2022/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.32(Engineering, Electrical & Electronic)J-PARCのような大強度加速器の安定な運転には、非破壊型モニタを用いたビームの常時監視によるビーム損失の低減が重要である。これまでの研究にて、ガスシートとビームの相互作用を利用する非破壊型プロファイルモニタを開発し、その有効性を実証した。開発したモニタはシートガスの密度を広い範囲で制御できるほか、ビーム誘起蛍光を直接カメラで検出するため、任意の露光時間に設定することで容易に信号の平均化が可能である。この特性を利用したビームプロファイルの時間発展測定の可能性を検証した。ビームパルス50sに対して1s刻みにビームプロファイルを測定した結果、ビームプロファイルは先頭の10sで大きく変化しており、その後安定することを明らかにした。また、このプロファイルの時間発展は初段の高周波加速空洞であるRFQのフィードフォワード制御に依存することも明らかにした。以上から、今後のJ-PARCビームの安定化に新たな指標を提案できる可能性を見出した。
柴田 崇統*; 大越 清紀; 神藤 勝啓; 南茂 今朝雄*; 池上 清*; 小栗 英知
Journal of Physics; Conference Series, 2244, p.012041_1 - 012041_5, 2022/04
被引用回数:1 パーセンタイル:71.24(Engineering, Electrical & Electronic)2020年11月から2021年4月までのJ-PARC利用運転において、J-PARC RF負水素(H)イオン源は3,651時間(5ヶ月間)の連続運転を達成した。イオン源は30kWの高周波出力で、Hビーム電流60mA、デューティファクター2%のビームを出力した。5ヶ月連続運転後に、イオン源テストスタンドにおいて、実際の運転条件と同じ条件でイオン源を運転し、RFQ入口の位置での位相空間分布を測定した。ビームのエミッタンスは、水平方向/鉛直方向はそれぞれ0.262/0.264 mm mradで、過去の運転で用いたイオン源と比較して大きな違いはなかった。アンテナコイルを目視確認したが、コイル表面には大きな損傷はないことを確認した。これらの結果より、次の長期運転として、J-PARCの1キャンペーン(1年間)である7ヶ月連続運転への可能性が見えてきた。